曹洞宗の住職が村の予算で健康麻将を立上げ

 

北海道・富良野での話

 

 お寺の住職が「地域創造事業」の一つとして、“いきいき健康麻将”の立ち上げを決断し、1年かけて村と交渉した結果、先ごろ第1号として認められた。

 このいきいき健康麻将を主催する「豊かな老後をたのしむ会」は、村からゆるやかな基準のもと、住民の自主的な活動として支援を受けることになった。

 しかも向こう3年間、年20万円の予算つきである。

 

一行四人で訪問

 

 11月15日、その発会式のため北海道・富良野に向かった。

 実はこの話を聞いた健康マージャンのお客様が

 「私も行こうかしら、こんなときでもないとなかなか北海道なんか行けないから、迷惑でなければ賑やかしに行きたい」

 と言い出した。またその話を聞いて同行者が二人増え、一行は4人となった。

 15日は夕方から初雪が舞い、17日までずっと降り続いた。秋の季節が終わり、冬のシーズンはこれから、という時期なのだ。

 観光時期としては端境期、何もないのだが、雪が何よりの北海道らしさで、我々を歓迎してくれた。

 

占冠村とは

 

 正確には、富良野の隣村、占冠(シムカップ)村。
 この村のことを少し紹介しておきたい。

 シムカップといってもほとんど知られていないし、占冠と書いてもかなりの人が正しく読めない。村民はたった1200人、小さな北海道の中央にある村である。

 動物園で近年名を売っている旭川に近く(車で1時間ほど)、観光地としては大雪山・層雲峡がある石狩山地の裾野に位置している。

 富良野、美瑛、トマムは観光地だが、占冠は農産地区だ。最近は、米ピリカほまれがコシヒカリより美味しいという声もあるが、そのほかにジャガイモ、たまねぎ、アスパラガス、ぶどう、ラベンダー、人参を産し、乳牛、豚の飼育も盛んだ。

 

私の講演会開く

 

 そんな占冠の鷲尾心英氏は曹洞宗・了古院のご住職でマージャン大好き人間。

 息子に小学生低学年のときからお経と一緒にマージャンの手ほどきをし、その子供は学校に牌を持って行き、クラブ活動で先生を負かしていた。そんなお父さんが今回の仕掛け人だ。

 15日の夜は私の講演会。村人40人ほどが集まってくれて 1時間ほど話をきいてくださった。

 翌16日は実技教室。既に「豊かな老後を楽しむ会」の会員、女性の元村議、歯科医、村の元職員、住職の4人が初心者を優しく指導し、心得のある人達はそれぞれ卓を囲み4卓成立した。楽しい発会式が成功裏に終えた。

 

健康麻将実技講習の模様

 

 代表の鷲尾氏が、

 「村民は1200人ですから、熟年だけでなく子供たちも含めた村民全体がターゲット。村民全体一丸となって健康麻将で村興しだ」

 と張り切っておられたのが頼もしかった。

 学校で先生を負かした鷲尾氏の息子とは、今、ガラパゴスのスタッフである鷲尾一心君だ。

 彼は今東京で音楽学校に通いロックギターを弾いている。

 村に帰ったら、ロックギターと健康マージャンのできる、曹洞宗の名物住職となることだろう。

 そのころには、村中で健康マージャンが大いに普及していることだろう。

 その日のことを心待ちにしている。



                       日本健康麻将協会 理事長 田嶋智裕

占冠村の皆さんと一緒に(前列左から田嶋理事長、鷲尾心英住職)